俺の心が春爛漫になるには

隣に君が居ることが絶対条件。








 

 

    コハルビヨリ









 




「最近暖かいよねー…」



寝転んでる俺にそう呟くのは、

俺の大切な彼女や。



「そうやなー、春やしな。」

「なんで侑士はそんなに淡白なのよ。」

「ちょっと酷いやんソレ。」

「もう少し季節を味わおうとか思わないの?」

のことで頭いっぱいなんよ。」



俺がそう言うと、は顔を赤くしてそっぽを向いた。

そんな姿も可愛えぇんやけどな。

でも、最近は大分暖かくなってきたと思う。

こうして中庭でお昼出来るんやから。

 




「寝転がってると制服汚れちゃうよ?」



俺の顔を覗き込んで、はそう言う。



「えぇよ、汚れても。も寝てみぃ?」

「えっ…あたしはいいよ。」

「なんで?キモチえぇよ?青い空しか見えへんし。」

「だって…空より、侑士のこと見てた方がいいもん。」



笑顔で言うは、ほんまに可愛えぇ。

みんなが狙うんもわかるで。

でも、もうは俺のや。

例え跡部やジローが今でも狙ろうとっても、俺のや。

俺が守るし、幸せにするんや。



「侑士ー?」



は俺の顔の前でひらひら手を振っていた。



「ん?どしたん?」

「ここに頭乗せなよ。芝生よりもいいでしょ?」



そう言って、は自分の膝を俺に差し出す。



「えっ…えぇん?」

「いいに決まってるじゃない。はい、どうぞ。」



は優しく俺を膝に促す。

の膝に頭を乗せると、とても心地がよかった。

こういうのを夢心地って言うん?

今にも夢に入って行きそうな心地よさやった。。。

 



 



「あ。」



が急に上を見上げて声を出した。



「なんや?」

「え?あ、ごめんね?驚かせて。」

「えぇよ。で、何かあったん?」

「うん。今ね、上を見上げてみたら桜がちょっと咲いてたんだよ。」

「へぇ。もう暖かいしなぁ。」

「今日は特に暖かいよね〜。」

「せや、今日お天気おねぇさんが『初夏並みの気候です』なんて言うとったで。」

「なに?そのお天気おねぇさんって。」



は肩を揺らして笑ってた。

その笑顔を俺から見ると、ちょうど青空に被って、とても綺麗やった。

俺と目が合うと、さっきの笑顔とは別の微笑みを向けてくれた。

は俺の髪に指を絡めた。

俺の髪を梳かす指先が気持ちよくて、俺は目を閉じた。



「侑士の髪って、綺麗だよね。」

「そぉか?の髪かて綺麗やん。」

「侑士ほどじゃないよー。とっても綺麗…。こうやって侑士の髪を触るの好きだなー。」

「そうなん?俺も好きやで?」

「え?なに…」



俺は起き上がって、にキスをした。



にキスするのが。」



俺は少し笑ってそう言う。



「ちょ、ちょっと!///」



そう言って俺をぽかぽか叩くは、やっぱり可愛えぇ。

叩かれても全然痛みなんて感じへんし。

もわざと力入れへんで俺を叩く。

そんなトコにの愛を感じるんは、俺だけやろか?



「誰かに見られたらどうするのよ!」

「その時はその時や。見せびらかしたらえぇやん。」

「侑士はそれでいいかもしれないけど、あたしは嫌。」

「なんでぇ?俺のこと嫌いなん?」

「そ、そうじゃないけど…」

「じゃぁえぇやん。」

「恥ずかしいじゃない!」

「愛があればえぇって。」

「よくな――い!!」



この会話、傍からみたらきっとバカップルやと思われるやろなぁ。

ま、それでもえぇけどな。

とならそう思われても。



「暖かいから、このままサボろうや〜。」

「嫌。ちゃんと授業受けるの!」

「ちぇ〜。」

「…帰りなら、寄り道してもいいよ?」

「ホンマに!?」

「うん、ホントに。」

「よっしゃ、それじゃ午後の授業頑張るで〜!!」

「なんなのよ、その変わりよう…」

と一緒に居れるんが嬉しいんや。」

「そっか///」



まだまだ本格的な春まで辿り着かへんけど、俺の心はもう春爛漫や。

今日はコハルビヨリだとしても、が隣に居てくれればいつだって春爛漫。

桜もビックリするくらい、恋の花を咲かせられるで。

 

俺の桜は君やから――。







End

 

++あとがき++

初忍足です。もぅ、自分がわからない…スランプでふ。。。

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