可愛くて、可愛くて、仕方がない君へ

いつまでも消えない夢を見せてあげるよ

 

 

 

 

 

 

 

    夢見がちな君へ

 

 

 

 

 

 

 

ねぇ、いつの頃だったかな。

君が僕に夢の話をしてくれたのは。

 

あの頃の君は、とても夢見がちで。

夢を叶えてくれる人と、付き合ったりしていたよね。

それでもずっと、ただ一人の人を見つけたくて

君はただ、恋に一途だったんだ。

 

僕はいつからそんな君を想っていたんだろう。

二人で話した屋上の空は

今でも僕たちの上で輝いているよ。

青い空のまま、変わらずにずっと…。

 

 

 

「ねぇ、何考えてるの?」

 

声がした方に振り向くと、愛しい君の笑顔があった。

その笑顔を手に入れたのは、中学3年の冬だったよね。

 

のことだよ。」

「へぇ〜。めずらしいね。」

「そう?僕の頭はでいっぱいなんだけどね。」

 

くすくす柔らかく笑うの笑顔が

眩しいくらい、空に映えていた。

 

 

中学の頃の君は、凛として百合のような人だと思ってた。

友達ともつるまず、いつも一人で窓際の席に座って

ただただ、空ばかり見ていた。

君は知らないだろうけど、僕はその時

君は百合ではなく、たんぽぽのような人だと思えた。

陽当たりが好きで、風になびく髪はまるで花びらのようだった。

 

そんな君の泣いてる姿を、僕は初めて見た。

 

 

「ねぇ、今まで聞かなかったけど、あの時なんで泣いてたの?」

「あの時?」

「僕がに初めて声をかけた時だよ。」

 

あの頃の君は多くの人と付き合っていたよね。

でも、決して汚れることはなく

君はいつも純粋だった。

初めて君の涙を見たとき、守りたいと思った。

素直にそう思えた。

 

 

「あの時は、自分自身が嫌になってた。」

 

夢を叶えようと必死になってた。

まわりではみんな、自然と夢を手に入れて

どうして私は手に入れることができないんだろう…

ずっとそうだった、小さい頃から。

私が欲しいと思ったものは手に入らなくて

友達は欲しいと思ったものは手に入って。

なんで私ばっかり?

そう、ずっと思ってた。

だから必死になってた。

今度こそ、今度こそ

自分の望むものを手に入れたい…と。

 

は僕にそう話してくれた。

話しているときのは、どこか悲しそうで

あの頃と変わらない顔立ちは、何かを思い出すように

青く晴れ渡る空を見上げていた。

 

「その欲しいもの、望むものは手に入った?」

 

そう聞いた僕に、は笑顔で答えてくれた。

「もう、手に入ってる。」と。

それは僕にはわからないものだと思ってた。

男が女心をわからないのと、同じように。

でも、の笑顔に、嘘はなかった。

 

「周助に、欲しいもの、望むものってないの?」

「僕?」

「うん。」

 

僕の欲しいもの、望むもの…。

に聞かれて、初めて考えた。

でも、その答えはあまりにもわかりきったことで

僕はちょっと笑った。

 

「何笑ってるのよ。」

「いや。僕も、もう手に入ってたから。」

「え。周助も?」

「うん。いつの間にかコレが僕の望むものだった。」

「コレ?」

「そう。と一緒に居れるこの時間が、僕の欲しくて望むものだよ。」

 

はちょっと驚いたような顔で、僕を見る。

いつから望んでいたんだろう?

きっと、君と出会ったときから望んでいたんだろうね。

 

「なんで私を選んだの?」

「夢見がちなが、可愛くて仕方が無かったんだよ。」

 

は頬を染めて、僕の横に座った。

頭を僕の肩に乗せて。

 

「私って、夢見がちなのかな?」

「そうだね。あの頃も、今もは夢見がちだよ。」

「でも、実際夢見てたよ。」

「どんな?」

「ずっと傍に居てくれる人。」

 

笑顔でそう言ったは、今までにないくらい夢見がちな瞳をしてた。

幸せそうな、満たされているような。

そんな笑顔のに、僕は満たされていた。

 

「僕はずっと傍にいるよ。」

 

またちょっと驚いた顔をしてから、たんぽぽのような笑顔。

がいれば、僕はいつだって満たされる。

 

はそっと僕の耳元に囁いた。

 

「ほら。もう、手に入ってる。」

 

 

私の望むものはたったひとつ。

 

周助と一緒に居れる時間だよ。

 

 

 

End

 

 

++あとがき++

久々ドリーム。ちょっと意味不明ですね、チーン。

夢見がちな人って、可愛いと思います。ぶりっ子とは別ですよ?

不二のキャラをイマイチ掴めてないドリームですね…。

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