大切な、かけがえのない貴方といれれば
それだけで幸せなんだよ。

 

 

 




    特別な日は特別な人と


 


 

 


『Happy Birthday !!』

「ありがとうみんな!」


部活後、部室にてパーティーの真っ只中。
今日はテニス部マネージャーでもあるの誕生日。
そこで手塚に頼み、部活をいつもより早く切り上げ、パーティーを企画したのだ。


「まったく。お前達!今日だけだぞ!」

「わかってるって。手塚も何気に楽しんでるじゃにゃいのー?」

「お、俺は別に…」

「まぁまぁ、いいじゃない。」

「不二。元はと言えばお前が俺に言ってきたんだろう?」

「だって、いつも僕達の世話をしてくれているマネージャーが誕生日なんだよ?祝わないわけないじゃない。」

「…そうだな。いつもには世話になっているからな。…、誕生日おめでとう。」

「ありがとう手塚。あたし、みんなに祝ってもらえて嬉しいよ。」


はそう言って微笑んだ。
その笑顔にときめいた人約8名。そしてその後ろでオーラを放っている人約1名…しかいないでしょう。

はテニス部のなかでも人気だった。
可愛い笑顔、優しい接待。何よりも存在自体が必要なものだった。
部の半数はに好意を持っている。もちろんレギュラー陣も。
だが、誰も手出しは出来なかった。
それは…――


「ねぇ、みんな?は僕のモノだってことわかってるよね?」


笑顔で不二がみんなに言う。
その笑顔に血の気が引いた人約8名。


「じゃ、じゃぁもうお開きかにゃ?」

「そ、そうっスね。これからは2人で過ごしたいとだろうし…」

「そ、そうだな。俺達がいると悪いだろう。」

「じゃ、これでお開き!明日は朝練があるから遅れないように!」

『うぃーっス!!』






パーティーも終わり、は不二と二人でイルミネーションがされている街路樹を歩いていた。


「今日は本当に楽しかったー。みんなに祝ってもらえたし、初めてこんなに大勢にお祝いされたかも。」

「そう、よかったね。僕はみんなじゃなくて二人っきりで祝いたかったけど?」

「あ…。あたしも、そっちの方が嬉しいよ?」

「じゃぁさ、まだ日付も変わらないわけだし、ちょっと寄り道していこうか。」

「ん?いいけど、どこに行くの?」

「二人っきりになれるところ…かな?」


そう言って不二はの手をとり、歩いて行った。




 

 









20分くらい歩いただろうか。二人は暗闇の中に入っていた。


「ねぇ、どこまで行くの?真っ暗で何も見えないよ?」

「大丈夫、すぐ抜けるから。僕の手を離さないでね?」

「うん…」


は不二に言われた通り、不二の手を離さないようにしっかりと握った。
足元は決していいとは言えない道で、たまに躓くこともあった。
その度に不二が支え、倒れることを防いでいた。





 

 



あれから10分くらいまた歩き、やっと暗闇を出た。
すると目の前に広がっているのは――


「きれい…――」


の目の前に見えたのは、暗闇の中に光り輝く街の光だった。
赤や青、黄色に緑。色とりどりの色が光っている。
まるで黒い空間に、宝石をちりばめたように――。


「綺麗でしょ?の誕生日になったら見せてあげようと思ってたんだ。」

「いつ見つけたの?こんな素敵な場所。」

「まだ暖かい季節だったかな?夜にさ、散歩してて僕であろうことが気がついたら知らない所でさ。迷ってたんだけど、少し歩いてみたらここに出たんだ。」

「すごいね。こんな素敵な所に辿り着くなんて。」

「うん。僕も最初は驚いたよ。でもさ、こんなに綺麗な場所なのに大切な人に見せないわけにはいかないじゃない?」

「ありがとう。すごい綺麗だよ。」

「まぁ、僕にとってはこの景色よりもの方が綺麗だと思うんだけどね?」

「しゅ、周助///」

「やっぱりさ、誕生日は特別な日でしょ?特別な日は一緒にいたいんだ。」

「うん。あたしもそう思う。今、周助といれてとても幸せだよ。」

「来年も…再来年もこの先ずっと、僕はの隣にいるからね。」

「あたしも、ずっと周助の隣にいるから。」


2人はお互いの想いを確かめ合うように抱きしめあった。
周りには誰も居ない、2人だけの世界。
綺麗な光の中で、2人は輝く。まるで空に輝く星のように――。






2人だけの空間がとても心地よく感じる。

それは今、貴方と2人きりだから。

特別な日は、貴方と一緒にいれればそれだけで幸せだよ。

1秒1秒が幸せだから、この先もずっとこの幸せを感じていたい。

神様がくれた、巡り合わせてくれた大切なかけがえのない人だから

これからも、この先ずっと一緒に特別な日を祝っていきたい。






今そっと、運命の神様に感謝した――。






End

 

 

 

 

++あとがき++

オフでもオンでもお世話になっている淡雪さんにBirthday Presentとして捧げます。

おめでとうございます☆ぎりぎり誕生日の月に間に合いました!(笑)

返品可で差し上げます。これからも、どうぞよろしくです。

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