この雪のように、

このキモチだけは消えてなくならないで…

 

 

 

 

 

 

 

 

    White Snow

 

 

 

 

 

 

 

 

冬といえば雪、クリスマスに、お正月。

それに

 

リョーマの誕生日。

 

 

12月24日

街は綺麗なイルミネーションで飾られ、人々が行きかう。

クリスマスの前日、クリスマスイブ。

そんな日に、リョーマは生まれたんだ。

 

 

 

「冬だし、マフラーがいいかな?」

 

朝からぶつぶつ呟きながら階段を下りていく。

玄関には迎えに来たリョーマ。

 

「何ぶつぶつ不動峰の人みたいにしてんの?」

「えっ?い、いや別に…」

 

リョーマをビックリさせようと思ってたから、バレるわけにはいかない。

なんとしてでも、感の良いリョーマに気付かれないようにしないと。

 

「今日、雪降るかもしれないんだって。」

「へぇ。」

「…嬉しくないの?」

「別に。降っても降らなくても、俺には関係ないし。」

「ふ〜ん。」

「それよりさ、早くしないと遅刻なんだけど?」

「えっ、うそ。それなら早くそう言ってよ!!」

 

慌てて靴を履き、家を出た。

 

遅刻すると言っても、学校までは5分の距離。

ギリギリでも間に合うくらい。

今日は珍しく、リョーマは朝練がないらしい。

いつもなら「先に行くから」ってメールが入ってる。

 

一人で歩く通学路よりも、二人で歩く方がいい。

そう思った。

 

 

学校に着くと、みんなそれぞれ冬支度をして登校してきているのが目に付く。

アタシもその一人。

首には赤いマフラー。

まだコートを羽織るには早い気候だから、マフラーだけ。

でも、隣のリョーマなんて秋と変わりのない服装。

さ、寒くないの?

 

「リョーマ、寒くないの?」

「え?まぁ、それなりに寒いけど。」

「マフラーくらいしてくればよかったのに。」

「探したんだけど、ないんだよね。」

 

ひらめいた。

というか、プレゼントが決まった。

リョーマに、マフラーをあげよう。

あったかいマフラーを。

 

買うのだと、心がこもってないようだし…

かと言って、手編みも初挑戦だし…

 

まぁ。モノが決まってよかったよね。

よっし。

 

 

「…何してんの?」

「え?あ、いやぁ別に…」

 

プレゼントが決まって、一人でガッツポーズしてたらリョーマが声をかけてきた。

 

 

クラスでも、やっぱりクリスマスの話題ばかり。

彼氏に何あげればいいのかとか、クリスマス誰と過ごすとか。

クリスマスって、結構大変だよね。

 

定番はやっぱり、マフラーとかセーターとか。

それに付け加えて手作りケーキ。

 

時間があればアタシだってそれくらいのことは出来るんだよ。

でも、今日はもう前日なの!!

そんな時間、どこにもありません。

悔しいけど、プレゼントは買うしかないみたい。

 

 

帰りはいつもリョーマと一緒。

リョーマの部活が終わるのを待って、一緒に帰る。

 

「ねぇ。」

「なに?」

 

夕方になると、結構冷え込んできて喋るだけでも少し息が白くなる。

そんな白い息が消えると、リョーマはポケットから2枚のチケットを取り出した。

 

「もうやってるゲレンデがあるんだって。桃先輩から貰ったんだけど、行く?」

「そうなの?行きたい!」

ならそう言うと思ってたし。」

 

そう言ってリョーマはアタシにチケットを1枚渡してくれた。

チケットには『SEISYUN SNOW LAND』と書いてあった。

 

「これいつ行く?」

「明日でいいじゃん。」

「明日!?」

「だってもう冬休みだし。何?なんか予定でもあんの?」

「や、予定はないけど…」

「じゃ、いいじゃん。」

 

家の前に着くと、いつもの軽いキス。

最初はこんなところでやるのは恥かしかったけど、今ではもう慣れちゃったみたい。

 

「明日朝9時に迎えにくるから。準備して待ってて。」

「うん、わかった。」

 

明日かぁ。

なんて思ったつかの間、準備をしなければならないことに気付いた。

 

「ボードでいいんだよね?」

 

独り言を漏らしつつも手は止めずに準備を進める。

物置に板を取りに行ったり、ウエアを引っ張りだしてきたり。

準備だけでも、結構ハード。

疲れた中、明日を楽しみにして眠りについた。

 

 

 

「うゎー…」

リフトに乗り、頂上に到着。

まだ時期も早くて、人が数人いるだけ。

 

意外と運動が出来るアタシは、リョーマの後について斜面を下っていく。

 

「リョーマって何やっても決まるよね。」

 

リョーマに聞こえるか聞こえないかの声で言う。

ホントに。何してもリョーマはかっこよく見える。

そんな人が彼氏で、嬉しかった。

 

一番下まで降りたところで、休憩。

ロッジで暖かいミルクティーを飲んで、冷えた身体を温める。

 

って、結構見かけによらず運動神経いいよね。」

「でしょ?」

「でもさ、俺の後ろを滑るのはやめてくんない?」

「なんで?」

「…心配だから。」

 

ちょっと頬を染めて言うリョーマが、可愛かった。

可愛いと同時に、この人に恋してよかったと思った。

大事にされてるって、実感できるから。

 

休憩してからはゲレンデの横にある広場で、雪合戦をすることにした。

ロッジからも離れているから、この広場はホントに人気がない。

だからなのかわからないけど、思いっきり雪合戦をした。

運動神経のいいリョーマに当てることは結構難しい。

それに比べてアタシは当たってばっかり。

 

ペシッ

顔面にヒット。

ウエアの中まで雪が入ってきた。

 

「冷たいー!!」

がよけないからじゃん。」

 

リョーマが笑ってた。

くっそー。絶対当ててやる。

笑ってる隙をついて、リョーマに向かって雪球を投げる。

 

ベシッ

顔面にクリーンヒット。

「冷てぇー。」とか言うと思ってた。

だけど、リョーマはその場に倒れこむ。

 

「ちょ、リョーマ!?」

 

アタシは慌ててリョーマのところに駆け寄る。

リョーマは顔に雪をつけたまま目を瞑ってた。

 

「リョ、リョーマ!?大丈…」

 

顔の雪をどかし、覗き込むと

キスされた。

 

「ごちそうさま。」

「し、仕組んだなぁー!!」

 

アタシは恥かしさのあまり、リョーマの胸をポカポカ叩く。

リョーマは楽しそうに、また笑ってた。

でも、さっきとは違う笑顔。

アタシの背中をポンポン叩きながら、優しく笑ってた。

 

すると、視界が一転。

 

「うゎっ!」

 

リョーマの上にかぶさるようにしてたのに、今ではリョーマがアタシの上いる。

雪まみれの髪が濡れて、ちょっと色っぽかった。

 

「今日俺の誕生日、どうする気だったの?」

「ホントはマフラーあげるつもりだったの。」

「つもりだった?」

「そう。今日買ってこようと思ってたのに、リョーマが誘うから買えなかったよ。」

「俺は別にモノなんていらないよ。」

 

 が隣にいてくれれば…

 

 

耳元で囁かれた言葉。

とってもとっても嬉しかった。

 

「それに、もう貰ったし。」

「え?」

 

もう一度キスされた。

雪で濡れた唇、髪、寒さで色づいた頬。

交差する吐息、交わる視線。

同時に微笑めば、距離が縮まる唇と唇。

 

「これ。」

「…馬鹿///」

 

額をくっつけ合って、笑い合った。

雪は冷たいけど、リョーマは暖かかった。

 

こんなプレゼントでいいなら、いくらでもあげるよ。

スキというキモチを、全てリョーマにあげる。

 

だから、アタシの傍で笑ってて。

 

「リョーマ。」

「ん?」

 

額と額をくっつけて言う。

 

 

「Happy Birthday」

 

 

リョーマはまた微笑んだ。

 

 

これからも一緒に誕生日、祝おうね。

 

 

End

 

 

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Happy Birthday Ryoma !!

ビバ!永遠の13…歳?(疑問系かよ。

それにしても。ネタ思いつかなさ過ぎて、かなり突発ネタ。すいません;

単に、雪と戯れたかったの!!寝っ転がったら目の前はリョーマ、って感じにしたかっただけ。

はい。自己満足です。おめでとう!!おめでとう!!笑

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