太陽と、君の笑顔で

夏に溺れそうだよ。







 





    夏の香り恋の季節 〜後編〜












日曜日。

朝早くからに起こされて海へ。

こーゆーイベントの時だけはやけに早起きだよね。

いつもこれくらい早起きならいいのに。

毎朝起こす身にもなってよ。


と、行きの電車の中で、一人思っていた。

でも。

と2人で海に行けるのは正直嬉しい。

 



「ねぇ、リョーマ。」

「何?」

「ホントは来たくなかった?」

「は?何で。」

「アタシとじゃ、つまらないでしょ?」



申し訳なさそうに、瞳を伏せてそう言う

とても色っぽく見えた。



「別に…との方が、気楽でいいし。」



隣に座るは、少し微笑んで

「ありがと」

とだけ言った。
 








海に着くと、既にビーチは人で埋め尽くされていた。

見渡す限りに人人人…。

砂浜なんて、やっと見えるくらいだ。



「うわぁ―!!すごい人!ね、リョーマ。」

「そうだね。」



はこんな光景でも、臆していない。

流石って言ったら、流石だけど。

に促され、砂浜の空いているところにレジャーシートを敷いて、ビーチパラソルをたてた。


 


「やっぱりさ、日焼け止めって塗るべきかなァ?」



どうしようかといった感じに俺に問う。



「どっちでもいいんじゃない?」

「ん〜、じゃァ塗ろっと。」

「海に入れば落ちるでしょ。」

「そうだけどさァ〜。」

「ほら、早く行こうよ。」


大きなうきわを持って、海に向かう。

 


「あっ!ちょっと待ってよ〜!!」


後ろから水着姿のが走って来る。


この前連れて行かれた店で買った水着。

あの時はよく見てなかったけど、白地にちょっとした蝶のプリントがあるビキニ。

色白のに、よく似合ってた。

髪をアップにして、水着と合う蝶の飾りがついていた。


 



、乗りなよ。」

「え、いいの?」

「だって沖まで泳げないじゃん。」

「そうだけど…」

「俺が押してくから。」

「やったァ!」


万遍の笑みで「ありがとう、リョーマ」

その笑顔はずるいよ。

の笑顔と太陽の熱で、夏に溺れそう。


をうきわに乗せて、沖まで泳ぐ。

泳ぐといっても、うきわを押して進むから、ゆっくりだけど。

度々が「頑張れ〜」って言ってた。

 


下は澄んだ海。

上を見上げれば空と太陽にかぶって、の横顔。

目が合うと微笑む。



「重い?」

「重い。」

「そんなにはっきり言わなくてもいいじゃんー!」



ちょっとした照れ隠し。

重いのはじゃなくて、の存在。

俺の中では軽いわけないじゃん。

もう、何年もを見てきたんだから。




「ねぇ、リョーマ。」


ブイのあるところまで来た時、が声をかけてきた。


「なに?」





 




 




「生まれた時から大好きだよ。」






 


 





思っても見なかった言葉に、俺は言葉がでなかった。

でも

嬉しかった。

俺だけじゃなかったんだ。

近くに居過ぎて、相手の気持ちがわからなかった。

灯台下暗しって言うんだよね。



「今日だって、リョーマだから誘ったんだよ?」



少し首を傾げて俺を見るが、とても愛しかった。

俺はの腕を引き、ピンク色の潤った唇に自分の唇を添えた。



「これが俺の答え。」


 

 

 

 






" 生まれた時からしか見てないよ "



 

 

 

 





耳元でささやかれた言葉。

想いが通じ合えたと確信できる言葉。





夏の香り

海の景色


これはもう



恋の季節でしょ。

 





End

 

 

++あとがき++

おちにならないようなおちですいません。

もうね、暑さのせいで思考回路遮断中です(ぇ)

ごめんなさい。

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