どうしてあの人はああなんでしょう?

私にはわかりません。

かといって、他の誰かがわかるわけではないのですが…

 

それでも、私は毎日楽しいと思える。

 

 

 

 

 

 

 

 

    The Naughty Boy

 

 

 

 

 

 

 

 

ある晴れた午後のこと。

立海大学付属中学校に通っているに突然変異がっ!!!

 

「お、お腹痛ーい!!!」

 

があまりの痛さに叫ぶ。

けれども

周りの人は皆、その痛みの訳を知っていた。

 

知っていながらも、へたに自分が動くと

あいつ

が怖くてここは黙っているしかなかった。

 

「おー、どうしたんじゃ?」

 

そこに突然現れるあいつ

 

「あ、仁王〜!!いいとこにっ。腹痛の薬もってない?」

 

そうきかれて口端が少し上がる。

それを見たのは周りにいるクラスメートだけだった。

 

 

この男、仁王雅治。

コート上の詐欺師とも呼ばれる、立海大付属テニス部3年。

この前の関東大会対青学戦では、あのジェントルマン柳生とペアを組み

どうやってあのジェントルマンを言いくるめたのか知らないが

仁王は柳生に、柳生は仁王になって試合を行っていた。

 

ジェントルマンでも怯える男。

それが仁王雅治なのだ。

 

 

「腹痛〜?」

「そう。今のアタシを見ればわかるでしょ?」

 

確かに。

は今にも倒れていきそうなくらい青い顔をし

痛みの原因であるお腹を抱えながら、机にうつ伏せになっている。

誰がみても具合が悪い人の典型的な症状。

 

「辛そうやの〜…プッ」

「あのね、仁王。これだけ痛そうにしてるのに、なんっでアンタは笑ってんのよ!!」

 

がそう怒鳴った瞬間、痛みが増したらしく

さっき以上にお腹を抱える。

 

腹痛には波があるというが、見たところによると

今がその最高潮らしい。

 

「…ねぇ、薬…持ってるの?…持ってないの?…」

 

ますます青ざめた顔をして仁王に問う。

 

「お前の欲しいものはコレじゃろ〜?」

 

仁王はの目の前で、薄いピンク色をしたつ粒状のものをちらつかせた。

それは俗にいう、なんにでも効くハズの鎮痛剤。

それを見たの目の色に生気がよみがえる。

 

「そ、それ頂戴っ!!」

 

仁王の持つ鎮痛剤に勢いよく手を伸ばすが、そこは流石の仁王

上手くの手から鎮痛剤を遠ざける。

 

「ちょっと!なんでくれないのよ!!」

「このまま渡してもつまらんから、ちょっと俺に付き合ってもらうとよ」

「はァ!?あのね、アタシはお腹痛いって言ってるのよ?なのに付き合えって」

「お前がそういうなら、俺はコレをお前に上げる訳にはいかんの〜」

「っ!!仁王のいじわるっ!!」

「そんなの前から知ってるじゃろ?」

「うっ…」

 

知ってるも何も、1年の時から同じクラスでもう3年目。

そりゃー、仁王の詐欺やらいたずらやら意地悪に幾度となく

やられっぱなしの

しかもそれは、仁王が構ってもらえない時に限って

いつもの倍以上でやってくる。

 

ここで仁王に付き合わなかったら、きっと倍以上で悪戯される!!

このお腹痛いときにそんなことされれば、もう、今日は生きて帰れないかな…。

 

「わ、わかったから!!ちゃんと頂戴よ?」

「今日はやけに素直やの〜」

 

そんな仁王の言葉に本当は言い返したいところだが

お腹の痛みに邪魔される。

 

 

「じゃあ俺が言うことに必ず”はい”で答えるんじゃ」

「は?何それ」

「お前はyesしか言えんということじゃ」

 

「はじめるとよ〜」と続けて言う仁王に

困惑しつつも言葉を待つ。

 

「苺が好きじゃ」

「はい」

「牛乳は嫌いじゃ」

「はい」

「青空は綺麗じゃ」

「はい」

「蛙が苦手じゃ」

「はい」

 

「俺と付きおうて」

「はい」

 

 

「…え?」

 

 

「うん。今日から俺の彼女じゃ」

「えー!!!」

「えーじゃなかと。もうとっくに気づいてるんじゃ」

「な、何を?」

 

「お前、俺のこと好きじゃろ」

 

口端をあげながら言う仁王に、図星をつかれた

何も言い訳することはできずに、ただただ顔を赤らめるだけ。

それはもう、答えを確信できるかのように。

 

「今日は一緒に帰るとよ」

「う、うん…」

 

「あ、そうじゃったの」

 

そういってピンク色の鎮痛剤を手渡す。

 

「もう驚いて腹痛なんかわからなくなったんじゃなかと?」

「あ、そういえば」

「どうせソレ飲んでも何の効き目もないけん、要はキモチ次第やの」

「は!?コレ飲んでも治らないの?」

「よう見てみんしゃい。ソレ、ラムネじゃろ?」

「え?」

 

よく見てみると、よくお菓子コーナーでみかけるラムネ。

 

もしかしてアタシ、はめられた!?

 

そう思っても、時すでに遅し。

仁王の作戦はあっさり成功。

 

はやっぱり単純じゃの〜。

 

 

お互い違うことを考えつつも、思うことは一緒。

 明日がますます楽しいかも

 

 

「やっぱり仁王は、わからない…いたずら好きめ」

 

でも、そこが仁王のいいところだと思う。

早く放課後にならないかな、と。

窓の外の空を見つめて思う。

 

いたずら好きないたずらっ子だけど

そんな貴方が好きです。

 

 

夕焼けの帰り道、手を繋いで街路樹を歩く。

 

 

 

 

End

 

 

 

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新HP記念に柳瀬川奏さまにあげました☆

仁王の言葉遣いがオカシイ…orz;

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