貴方を例えるならきっとこんな感じ――。



 

 






    A BLUE ROSE

 






 



『勝つのは氷帝!勝つのは氷帝!』


毎日聞こえてくるこの応援。
氷帝学園テニス部名物。
と言っても過言ではない位のもの…?


その約200人の部員の頂点に立った男。
その名も跡部景吾。


私はそんな凄い人の彼女。
周りの視線は厳しいもの。
特に『跡部景吾ファンクラブ』は…。
恐ろしいくらい。


でも、皆は知らないんだよ。
本当の景吾を…。









 








放課後になり、私は景吾のいる隣のクラスへ。


「景吾ー、今日は部活休みだよね?」
「アーン?なんだよ。それがどうしたんだ?」
「一緒に帰らない?」
「別にいいぜ。から誘うのは久しぶりじゃねぇか。」
「え?いや〜景吾と寄りたい所があって…ね?」
「どこにだよ。」
「んー…まっ!行けばわかるって!」


そう言って私は強引にも景吾の腕を引っ張って、教室から出た。










 




「おい。どこまで行くんだ?」
「ん?ここ。」

「あ?」


私が指差した所は、誰も入らなさそうな古い館。


「ここが何なんだよ。」
「いーから!さっ入って?」


私は景吾を後ろから押して入って行った。








 



「…なんだよここ。」
「ここはね、私のお気に入りの場所。」
「は?この古ぼけた館のどこがお気に入りなんだよ。」
「この戸を開ければわかるよ。」


目の前にある戸を開く。

そこには…


 



「ど?凄いでしょ?」

「…」


私が景吾を案内した所、それは綺麗な夕焼けの見れる館の屋上。
誰も近づかないこの場所は私のお気に入りな場所。
ここに大好きな景吾をつれてきたかったんだよ?


「景吾?」
「…あ?」
「綺麗でしょ?」
「…」
「もう、どうなの?」
「…まあまあじゃねーの?」


そんなことを言っても、耳が夕日みたいに真っ赤なのはなんなのよ。


「耳まで赤いけど?」


私は景吾がこんな照れた顔をするのは初めて見たな。
結構可愛かったりするんだけど。


「う、うるせぇ。」
「かーわいー。」
「うるせぇったらうるせぇ!」
「あははは。」
「夕日よりの方が…」
「え?」
「いや…なんでもねぇ。」


景吾は私と顔を合わせない様にしてるみたいで、夕日の方を見てる。
夕日に景吾が入って、真っ赤な薔薇みたい。


でもね?

いつもの景吾は凛としてて、リーダーとしてぴったりだし。
そんな景吾を例えるなら。


 



幻の青い薔薇。

 




花言葉は『不可能』

でも景吾は『不可能』を『可能』にするね。

そんな景吾は青い薔薇以上かもしれない。




私にとって景吾は凛として綺麗に咲き誇る青い薔薇。

私はその隣にずっといるから――。

これからも綺麗に咲き誇って。



 



End

 

++あとがき++

跡部はきっと不可能なんてものを知らないと思います。

だからBLUE ROSEなんですよ。(え、意味おかしい;ま、そこは目をつむって…)

ま、薔薇は豪華っぽいし 。跡部そのもの?(笑)

(2004,3,26 一部改正)

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送