たった一人で ずっと一人で

誰にも頼らないで今までやってきた

初めて

貴方なら頼ってもいいと思った。

 

 

 

 

 

 

    on a night with a full Moon

 

 

 

 

 

 

満月の夜。

私は少しの荷物を持って、学校の屋上に向かう。

 

自分の力を信じ、瀞霊廷に行くことを決めた。

 

誰も信じ、頼らなかった私が

自分の考えで行動する。

初めて信じた言葉。

 

 

 

  『ボクと一緒に瀞霊廷行こうや』

 

 

 

他の人にとっては別に何も感じない言葉かもしれない。

けど、私にとってはすごく心に響く言葉。

 

私は、市丸ギンを信じる。

 

 

 

 

「え?」

「やから。満月の夜、ココで待っとるから。」

「何を?」

「君を。」

「ふーん。…私を!?」

「そう。」

 

思いも寄らない言葉を発する人は

ずっと変わらず笑顔。

 

「まだ行くって決めてないよ。」

「そうやけど、きっとちゃんは来る。そんな気がするんよ。」

「…」

「そんなに悩むことないで。瀞霊廷は怖いトコやないし…」

「だけどっ」

「まァ、ゆっくり考え。満月は3日後や。その3日後、ボクは君を迎えに来る。」

 

そこまで言うと、市丸は現れた時と同じように

強い風と共に私の前から消えた。

 

 

 

 

これが3日前のコト。

今、雲ひとつない夜空にまん丸の月が浮かぶ。

 

 

 

夜の学校。

普通は警備がきちんとされていて、入ることなんて出来ない。

けど、今日は違う。

校門をくぐり、生徒玄関を開く。

目の前に見えたのは

 

 

屋上。

 

 

「え?なんで…」

 

なんで生徒玄関を開けたらココに着くわけ?

階段を1階2階と4階まで登らなきゃ、屋上のドアまで辿り着けない。

それがどうして生徒玄関から?

 

 

 

「ほら、ボクの言った通りやろ?」

 

声がした方を向くと

月の光に包まれて、市丸がいた。

初めて会った時と同じ和装に刀。

一つだけ違うのは、横に黒い蝶が1匹。

 

「荷物なんていらんのに。」

「え、いらないの?」

「瀞霊廷に行けばボクと同じ格好やし。…まァ大事なもんは持ってってもええんやけど。」

「これは…大事なものだから…」

 

私は市丸には見えないように

その大事なものを握り締めた。

市丸は変わらない笑顔で見ているだけだった。

 

 

「さ。気が変わらんうちに行こうや。」

 

そう言って何か言葉を言う。

けど、私には風の吹く音しか聞こえなくて。

いつの間にか、風に包まれていた。

目の前は

扉。

 

 

「ここから瀞霊廷に行くんや。」

 

 

隣に立つ市丸が私に告げる。

私はココから新しい自分になれる。

市丸を頼り、自分を信じ。

瀞霊廷へ行き、死神になる道を選んだ。

 

 

満月の夜。

私は一歩を踏み出す。

 

 

 

 

Next

 

 

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第3話目。

てか、『連載形式で短編でも読める』ってゆー設定はどこに行ったんだろう…。

やっと瀞霊廷突入編に続けられるオハナシになりました(笑)

そろそろ他キャラも登場予定です!!

 

Photo By:月写真素材館

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