急に目の前に現れた人

その人は、市丸ギンと名乗った。

 

 

 

 

 

 

 

    願いもしなかったこと

 

 

 

 

 

 

 

今、目の前に居るのは夢の中の人。

いや。"死神"…らしい。

 

死神って、大きなカマを持って

黒いフードを被ってるものじゃないの?

骸骨みたいな顔の…

 

でも、見るからに目の前の死神は和装。

腰には刀までも差してある。

 

 

「貴方…本当に死神なの?」

「信じてくれへんの?」

「いや…信じるも何も、私の死神の想像と違うし…」

「あァ。君が言う"死神"っちゅうのと、ボクはちょっと違うんよ。」

「死神って、命を奪うんでしょ?」

「君の思ってる死神っちゅうんわ、そうやろね。」

 

この人の言うことが、さっぱりわからない。

死神に種類とかあるわけ?

 

 

「私の命取りに来たんじゃないの?」

「ん〜結果的にどうなるかは、君次第やね。」

「それってどういう…」

「いちから話すと長くなるんやけどなァ…」

 

そう言って地べたに座り始める。

私も促されて向かい合って座る。

 

 

それから1時間くらいだろうか。

死神について色々なハナシを聞いた。

 

死神ということ

虚のこと

現世とのつながりのこと

瀞霊廷のこと

 

私が生きる世界とは全く違う世界。

思考が追いつくことはなかった。

すごくかけ離れた世界だから。

 

 

「コレで大体全部話したんやけど…」

「さっぱりわからない…」

「そうやろね。君はまだ表に出てきてないんよ。」

「え?何が?」

「ココまで話たんやし、ホントのこと言うと…」

 

 

  君もボクと同じ、死神なんよ

 

 

 

私は耳を疑った。

 

「それって…どっちの?」

「どっちのって?」

「カマ持ってる方か、貴方みたいな方…」

「あァ。もちろんボクの方や。」

 

「じゃぁ…私は…」

「そうやね、ボクと来てもらないと。」

「瀞霊廷ってトコに行かなきゃならないの?」

「でも、行ったとしても、まだ死神として行動はできへんよ。」

 

「まだ表に出てきてないんやし。」と続けて言う。

ハナシによると、瀞霊廷という所は死神の人が暮らす世界。

現世とは門で繋がっていて、必要な時のみ開門されるらしい。

子供の時から成績優秀で死神をしている人もいれば、

老人になっても死神をしている人もいるらしい。

 

 

市丸と言う人は隊長で、護廷13隊いる中の3番隊隊長らしい。

各隊に、隊長・副隊長・3席・4席…と続くらしい。

隊長の特徴として、黒い着物(死覇装と言うらしい)の上に

大きく『三』(各隊の隊長ごとに文字は変わる)とかかれた白い羽織を着るらしい。

 

 

 

いつの間にか私は、市丸と言う人のハナシに聞き入っていた。

たまにハナシがそれて瀞霊廷にあるというお店のハナシをしていた。

あのお菓子屋さんが好きだとか、あの野原は昼寝スポットだとか。

そのハナシはとても暖かくて、今までに感じたことのない気持ちが

私の中に溢れてくるのがわかった。

 

 

「ま、ざっとこんなもんやね。どう?ちょっとは理解できた?」

「え…あ、うーん。まだよくわからないけど、私は人とは違うってことはわかった。」

「最初はそんなもんでえぇよ。現世から死神みつけるなんて、滅多にあることやないしなぁ。」

「やっぱり私って珍しいの?」

「死神の中でも、現世出身なんちゅーやつはそうそうおらんよ。」

「そうなんだ…」

 

 

自分が死神になれると知ったところで

きっと今と変わりのない毎日が続くんだと思ってた。

現世からの死神は、生まれたときからそのチカラを莫大に持ち

決して時が来るまでそのチカラを使うことは出来ないらしい。

ということは、私は生まれたときから死神になる運命だったんだ…。

 

 

「ボクは、君が生まれたときからずっと見続けてきたんや。」

「ずっと?」

「君は現世で見つかる死神の中でも、最もチカラが強いんや。ま、自分ではわからないんやけどね。」

「全然知らなかった。ちょっと霊と話したりできたけど…。」

「でも、虚たちは気付いたみたいやね。」

「え…それって…」

「君の近くで奇怪なことが起きとったんは、君のチカラの所為や。」

 

 

それじゃぁ、最近になって妙に胸騒ぎがしてたのは

全部私の所為?

 

「君のチカラがそれほど大きいものやっちゅーことや。」

「…ねぇ、私はどうしたらいいの?」

「それは君次第や。」

 

 

 

私は、生まれたときから死神のチカラを内に秘めていて

それが今になって溢れ出そうとしている。

このままココに居たら、周りの人に迷惑をかけてしまうことが目に見えてる。

けど、急にそんなこと言われても…

私はどうしたらいいの?

 

 

顔を覗き込まれて我に返った。

益々狐目になりながら、ニコニコして私を見ていた。

 

「そんなに悩む必要もないと思うで?」

「でも、急にそんなこと言われても…」

「ボクと一緒に来ればえぇやん。」

「え?」

「やから、ボクと一緒に瀞霊廷行こうや。」

 

市丸は

笑顔で手を差し伸べてくれた。

 

 

今までたった一人で生きてきた。

誰にも頼らず、自分ひとりで生きてきた。

でも、今、やっと人の温かさを知った気がした。

 

この、嫌気がさした世界を抜け出せると思った。

もっと、心が満たされるところに行けると思った。

 

 

 

願いもしなかったこと。

自分を変えられるチャンスだと思った。

 

 

 

 

Next

 

 

 

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第2話目突入。完璧My設定です、すいません。

一護とか関係なしに、もろギン一途で突っ走ります!!

愛故、ギンしか見えない〜v結構重症ですよ、このギン愛は(笑)

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