誰かが私に語りかける

"目覚めるんや…"と。

 

 

 

 

 

 

 

    声が聞こえる

 

 

 

 

 

 

 

毎日同じ夢をみる。

暗闇の中に私一人だけ。

瞑っていた瞳を開けば、ずっと先に一人たたずんでいる。

黒い着物みたいな服に白い羽織を着て、私を見ている。

 

その人は私に何か語りかける。

でも、何を言っているのか聞こえない。

 

その人に向かって歩くのだけど、全く距離は縮まらない。

寧ろだんだん離れていく。

その人は背を向けて歩いていく。

"三"とかかれた白い羽織をなびかせて。

 

 

待って。

貴方に聞きたいことがあるの。

私に何を言ってるの?

貴方は一体誰なの?

 

 

その人に向けて精一杯手を伸ばすけど、届くはずもなく。

伸ばした手はただ空を掴むだけ。

 

 

その人が歩く先は光り輝いていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またこの夢だ…」

 

はもううんざりといった調子に目覚める。

毎日みるこの夢。

一体なんなんだろう。

 

夢の中だけ、普段より気が楽な気がした。

目覚めれば、また面倒な現実。

 

学校に行くのが憂鬱。

別に友達と仲が悪いわけじゃない。

友達と話してる時が一番楽しい。

でも…

 

 

 

今日もまた屋上でサボリ。

かったるい授業なんて出てないで

この澄み渡った青空を見ている方が、断然好き。

 

まるでおにぎりの型にでも詰め込まれたように

同じ制服を着て、授業を受けて。

そんな決まった行動なんて大嫌い。

一度しかない人生。

それなら楽しく自分のしたいことをするべきだよ。

 

 

「なんで学校なんてあるんだろう…」

 

雲ひとつない空に向かって語りかける。

 

 

一瞬、強い風が吹いた。

はとっさに瞳を瞑る。

 

 

「何、今の風…」

 

辺りを見回すけど、先ほどと変わらない。

見上げても同じ青空。

 

 

「同じ毎日にも、うんざりだ…」

 

 

「そうやろね。」

 

 

驚いて後ろを振り返る。

すると、一人の男の人が立っていた。

 

私しかいなかったのに…

この人、どこから来たの?

驚きのあまり、私はその場で固まってた。

つーか、この人の服装どこかで…

 

 

 

「なんや、驚いとんの?」

 

目の前に立っている人はまるで狐のような顔。

私…騙されてるんじゃ…。

でも、見た感じ人間。

そんな当たり前なこと聞かないでよ。

 

 

「普通驚くでしょ。」

「でも、初対面とちゃうで?」

「え…?」

 

 

よく見れば、どこかで会ったような?

風になびく銀色の髪がやけに目に付く。

黒い着物に、白い羽織…

あっ。

 

「思い出したん?」

「夢の中で、ですけど?」

「そうや。なんや、覚えとるんやない。」

 

 

笑顔の絶やさない顔。

この人ホントになんなんだ。

 

 

「で、なんで夢の中の人がここにいるんですか?」

「いちゃ悪いん?」

「普通なら居るはずないでしょ。」

「へぇ。こっちの世界ではそれが常識なんやね。」

「は?…こっちの世界って?」

 

目の前の人が一歩進み出てきた。

静かに、足音一つ立てずに。

 

 

 

「ボクは死神なんよ。」

 

 

 

私は自分を疑った。

今、なんて言った?

 

「…悪いんですけど…全然意味がわからない。」

「そらそうやろ。急にこんな話しをしてもこっちの世界の人は理解できへんよ。」

 

「ところで貴方は一体誰なの?」

「あァ。まだ自己紹介してへんかったなァ。」

 

目の前の人は「堪忍なァ。」と言って頭に手を置く。

関西弁ってことはわかったけど…

いつ見ても妙な服装。

 

 

 

「ボクは市丸ギンって言うんや。ちゃん。」

 

 

 

なんでこの人は私の名前を知っているのだろう。

なんて、

そんなこと今更どうでもいい疑問だった。

 

これから起こることと、比べれば…

 

 

繰り返される毎日が

 

初めて変わろうとしていた。

 

 

 

 

 

Next

 

 

 

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始まりましたBLEACHドリーム。

ほぼ連載とか言っときながら、どちらかと言えば連載になってしまいました。

もろ、オリジナル設定ですのでその辺よろしくお願い致します。

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