大好きな英二へ。

 

 いつもそばにいてくれて―…

 ありがとう。

 

 いつまでも

 大好きだよ。

 

 

 

 

 

 

   いつも側にいた

 

 

 

 

 

 

 

いつからだったかな。

こんなにも英二を愛しいと思えたのは。

 

人気者の英二は、私にとって遠い存在だったよね。

それが今になっては一番身近な存在。

 

なんだか、まだ夢のようだよ。

不思議なキブン。

 

 

「なぁに考えてんの?」

 

 

英二が私の顔を覗き込んで聞いてきた。

外はねした髪に、大きな瞳。

トレードマークはほっぺの絆創膏。

みんなが知ってる英二よりも、

私は英二を知っている。

 

それだけで、なんだか嬉しい。

 

 

「英二のこと考えてたの。」

「え〜?ホントに?」

「ホントだよ。」

「やった!」

 

 

ほら。

その笑顔だって、みんなに見せる笑顔とはまた違う

心から嬉しいと感じる笑顔。

私にしか見せない笑顔。

嬉しいなぁ。

 

 

 

 

付き合うようになってからは離れる時間すら惜しい。

クラスも違うし、部活もしてるし。

一緒にいれるのは登下校と休み時間。

休日は部活だし、大会もある。

あんまり一緒に出かけたことはないけど、

英二は出来るだけ私を優先してくれる。

たまに手塚君に怒られてるのを見るけど…

 

それでも英二はいつでも私の側にいてくれる。

登下校は手を繋いで。

休み時間には階段に座り込んでおしゃべり。

お昼休みには屋上で一緒にお弁当。

 

「部活中は一緒にいられないけど、心はいつも一緒だよ。」

 

そう言ってくる英二が愛しくて。

 

「ほら、ココにいるじゃん。」

 

ぎゅっと抱きしめてくれて、幸せを感じる。

 

 

もう、英二なしじゃダメだよ、私は。

手を繋いで歩くこの道も、

見上げると広がるこの空も、

英二が隣にいるから全てが楽しく思える。

 

 

「むゅッ!?」

「なにニコニコしてんの〜?」

 

私の頬をつねり視線を交じあわす。

その英二のいたずらっぽい笑顔すら、

愛しく思える私は、英二にとってどんな存在なの?

 

 

「ねぇ、英二。」

「ん?どした?」

 

「英二にとって私って何?」

 

「は?」

 

「いや、『は?』じゃなくて…」

は俺の彼女でしょ?」

「そうでもなくって!」

「じゃぁ何さ。」

「だから!こう、癒しとか元気の元とか…い、色々あるでしょ!?」

「うーん。」

「…無いの?」

 

しばらく英二は頬に手を当てて考える素振りを見せた。

ねぇ、英二。

私は英二にとってどんな存在なんだろう。

私にとって英二は、かけがえの無い大切な存在だよ。

どんなものにも変えがたい、無くなってしまったらどうすることもできない

ずっと、側にいて欲しいよ。

 

 

「俺にとっては…」

 

しばらく考えた英二が口を開く。

 

「空気のような存在かな!」

 

「く、空気!?」

「そう、空気。」

「なんで空気なの?」

「え?だってさ…」

 

 

隣に居るのが当たり前で、いつも側にいてくれて

無くなるなんて考えられない。

 

 

 

あぁ、なんだ。

英二も私と同じ想いだったんだ。

 

 

 

「ねぇ、英二。」

 

 

 

 

これからも

私の側で笑っていてね。

 

ずっとずっと

大好きだよ。

 

 

 

 

 

 

 

End

 

 

 

 

 

++あとがき++

Spring Dream Festival 2006 参加作品。

参加させて頂き、ありがとうございました!!

側にいてくれるだけで勇気をもらえる存在って、素敵だと思います。

 

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