その無邪気な笑顔がとっても好き。
その無邪気な言葉が大好き。


英二の全てが、私に元気をくれるの。






 




 

     天真






 






「ね、俺の顔に何かついてるの?」



休み時間、中庭で英二と向かい合って喋ってたら急に英二が私に問いかけてきた。



「え?あ、ううん。なんでもないよ!」
「そっか?」
「うん。でも、なんで?」
「なんでって…。だってが俺のことずっと見つめてるんだもん…」



そ英二は頬を恥ずかしそうにかきながら私にそう言う。

私、見つめてた?



「えっ、私英二を見つめてた?」
「うん、俺から見ればね。の視線がすごい…」
「あ、ごめんね?そんなつもりじゃなかったんだけど…」
「どーいうつもりだったの?」

「え?あ、えーっと…」



困った。

直接英二に言えないよ!私が思ってたこと。
英二の笑顔に自然と目が行ってたなんて…。



「俺には言えないの〜?」
「え、あ、いや…」
「いいよー、言わなくてもっ。」



あぁ!英二拗ねちゃったよ!
こうなった英二をなだめるのは一苦労だよ…。



「え、英二?」
「ぶー。」
「あのね?」
「いいよー言わなくて。」



英二、わかってないよ。私のキモチ。

こんなに英二が好きなんだよ?

英二の笑顔が大好きなんだよ?

その笑顔に見とれてたんだよ?



ねぇ、英二。私のこのキモチ、わかる?





「…ん?うゎっ!、なんで泣いてんだよ!?」
「だって…だって…英二…がっ…っ…」
「ごめん!俺、あんな避け方しなくてもよかったよな!ごめん!」
「ううん…私こそ、ちゃんと言わなくてごめんね…」
「いいって、それはいいよ。」
「私ね、さっき英二に見とれてたのはね…英二の笑顔が大好きだから…ずっと見てたかったの…」



涙声で言うあたしを、英二は頭を撫でながらなだめてくれてた。
その熱のこもった暖かい手、大好きだよ。
その手で撫でられるだけで、すごく守られてる感じがするんだよ。



「俺の笑顔?」
「うん…大好き。すっごく元気になれるんだよ、英二の笑顔ひとつで。」
「そっか…///…でもさ、俺だってそうだよ?」
「…え?」
「俺だって、の笑顔が大好きだし、元気をいっぱいもらってる。」
「私の笑顔で、英二は元気になれるの?」
「もちろん!一緒に居れば充電だって完璧パーペキパーフェクトだよ。」



英二は私に向かってピースしながらそう言う。
その時の英二の笑顔、すごく暖かかった。



私こそ、英二と居れれば充電満タンになるよ。
いつだって英二の笑顔に支えられてるから。



「ね、俺さ笑顔以外にもの好きなトコあるよ?」
「え?どこ?」
「んとね、声でしょ?髪でしょ?手でしょ?口でしょ?それから…全部かな。」
「全部って…。」
「声はとっても綺麗で話してるだけで癒されるし、髪は長くてさらさらで綺麗だし

 手は俺と手繋いだ時俺が守らないとって思ったし…」
「思ったし?」
「口は…」



英二は私を木の幹に寄せて、私の口を指でなぞった。
顔のまん前には大きな瞳、柔らかな髪、綺麗な顔立ちの英二がいる。

よく見ると、英二って結構まつげ長いんだなーなんて思ってたら…


 



 



――ちゅっ――

 

 






指が口から離れたかと思うと、英二の口が近づいてきて、キスされた。
触れるだけの優しいキス。
なごり惜しそうに離れる唇に、笑顔の英二。
英二の笑顔はいつもと同じ元気な笑顔。
私の笑顔は今きっと、幸せに満ち溢れてると思う。

目の前の英二がとっても笑顔だから。



、今すんごい幸せでしょ?顔に書いてあるよ?」
「英二こそ、顔がにやけてるよ?」
「にやけてる?だって、今俺幸せだもん!」
「私だって幸せだよ!」



2人で笑い合う。
この時間がいつまでも続けばいいのに。
そう思えるのは英二と一緒だから。
無邪気に笑う英二が大好き。
無邪気な英二の言葉、行動全てが大好き。


ね、英二。

"天真爛漫"って、英二にピッタリの言葉でしょ?



"天真爛漫"偽り飾らず、心の思うままが言動にあわられること。



英二こそ、天真爛漫だよね。

そんな英二が大好きなんだよ。






End

 

++あとがき++

最近四字熟語が無性に気に入ってるんですよ!

特にこの天真爛漫は好き!爛漫の所が!(笑)

(2004,5,20 一部改正)

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