春よ来いと願ったら桜の花びらとともに来た
春がきた
「
―――ッッv」
隊長がかなり上機嫌に私の名前を呼んだ。
隊長が上機嫌って・・・・なんかあったのだろうか。
私は苦笑いをしつつ溜息をついた。
「なんですか?」
振り向いて私のもとへ向かってくる隊長を迎えた。
「あんなぁ、あんなぁ、桜が満開なんねん!!」
「あら・・・もうそんな時期ですか」
「そうなん!んでなっ、剣八はん達と花見の約束したんよっ!!」
「花見って・・・今日ですか?」
「そうやっ!!」
本当に嬉しそうに頬をピンク色に染めて胸を張る隊長がたまらなく愛しい。
「それじゃぁお弁当や飲み物を用意しなければいけませんね」
「そのことに関しちゃぁイヅルに頼んだからええよっ!」
「・・・・・吉良副隊長に頼んだのですか?」
「そやっ!!!!」
「・・・・・それじゃぁ私達は場所取りでもしましょうか」
「そうしよか!!!!」
私は先日花見したときに使った青い敷物を取り出し、
隊長と一緒に花見の会場へ向かった。
「お待たせしましたぁっ!!」
「イヅル遅い!!!」
「無茶言わないでくださいっ!!!」
「吉良副隊長お疲れ様でしたっ」
「おうっ!イヅルも座って飲めよ!」
「あっ・・・えへへ・・・それじゃぁお言葉に甘えて」
吉良副隊長が酒を飲むΣ(゚Д゚;
「やちるイヅリンのお弁当食べたいー!」
「じゃぁ開けましょうか」
「それじゃぁ
君よろしくっ♪」
「は・・はぁーい」
「ボクも飲もうっと!!」
そうして男性達は大きな酒瓶を開け始めた。
私とやちる副隊長は弁当を漁り始めた。
「やちるちゃんはお酒飲まないんですか?」
「うんっ!やちるはお酒飲まないよっ!」
「そうですか」
私は早速吉良副隊長お手製のお弁当を食み始めた。
隊長達はお酒を飲み始めてる。
挙句には一気飲みしてる。
更木隊長死にますよ。(絶対死ななそう)
隊長先に帰りますよ。(絶対に呪われそう)
吉良副隊長お願いだからやめてください。(酔うとこの人が一番怖い)
私の心の叫びは打ち砕かれた。
十二番隊特製演歌の曲が流れ始めた。
辺りはメチャクチャ状態。
酒瓶は転がっているは更木隊長は爆睡してるわやちる副隊長も寝てるわ、
吉良副隊長なんて酒瓶を抱き枕にして寝ている。
私は隊長の腕を肩にまわしながどっこいせと立ち上がった。
隊長からは酒の匂いがプンプン漂ってきたけど、我慢する。
愛ゆえに出来ることなのだ。
「
――――ッッ!!!ボク、
・・・好きなんねん」
「分かってます、分かってますからさっさと歩いてください」
勿論、体重差で私は千鳥足の隊長と共によろめいてしまう。
相当飲みやがったなコイツ・・・。
私はなんとか踏ん張って倒れないようにした。
隊長は「うぃ〜」と親父臭い声を出してマッタク立つ気ナシ。
イライラ。
イライライライライライライライライライラ。
イライライライライライライライライライライライライライラ。
「ふんっっ!!!!」
踏ん張って隊長の腕を引っ張った。
隊長はしりもちをついたまま動かない。
イライラが限界で脳神経がプッツンしそう。
春という季節は好きだ。
花が皆咲いてキレイだ。
だけど酔った人は嫌だ。
「えいっ!」
私は肩にまわしていた隊長の腕を放り投げた。
もう知りません。
私は鼻息を荒くして大きな桜の木の根元に腰掛けた。
桜の花びらがちらほらと散っていた。
そろそろ春も終わりなのか・・・。
早いなぁとババくさいことを思ってたとき、
フと目の前を見ると隊長が匍匐全身で私のところまで来ていた。
ある意味恐ろしい光景ですよ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・ハイッッ!!」
隊長が右手を出してきた。
指先には桜の花が人房摘まれていた。
「・・・・・・・・・」
「
にあげるっ!」
「・・・・ありがとうございます」
受け取ろうと手を伸ばしたら、隊長の手は遠くへ行ってしまった。
「ダァ――――メッ!!ボクがやるんっ!!!」
「??」
隊長は身体を起こして私の隣に座った。
お酒の匂いがプンプンしてきてこっちまで酔いそうだ。
隊長が私の髪の毛を撫で付けている。
「・・・・?」
何か・・・くすぐったい。
「出来たっっ!!」
隊長がニンマリ笑った。
私には何がなんだか分からない。
「・・・・何が出来たんですか?」
「見つけたっ!!!」
「・・・・・・・・・何を見つけたんですか?」
隊長が手を伸ばして私の頬を撫でた。
「こーすると桜の妖精のようやっ!!!」
イッキに顔が熱くなった。
隊長の頬はほんのりピンク色だった。
「なっ・・・なっ・・・」
私は恥ずかしくて俯いた。
よかった・・・皆寝ていて・・・。
更木隊長もやちる副隊長も吉良副隊長も寝ていた。
「・・・・うんっ!似合うよっ!」
「あ・・・ありがとうございます」
「
はキレイなんやから自信持って!!」
「自信持てって・・・言われたって・・・無理・・・ですよ・・・」
「
は・・・キレイやな・・・・」
「私はキレイじゃありません」
「
は心もキレイや」
「・・・・・・私はキレイじゃありませんよ」
「ボク、
に憧れてるんよ」
「憧れるところなんてありませんよ」
「ボク、
に惚れてるんよ」
「私も惚れてますよ、もっと言えば愛してます」
「ボクも愛してるんよ」
隊長の手が私の手に重なった。
「・・・今度の花見は2人きりでしよっか!」
「・・・・そーですねっ」
「もしなんやったら桜の木の下でエッチってのもええんやないの!?」
「っっっ!!!ギンッッ!!!!」
「ひゃぁっ!!!」
隊長は立ち上がって走り出した。
1人で立てるんじゃないですか。
呆れながら私も立ち上がった。
こんな日もいいと思った。
こんな日が続けばいいと思った。
こんな日が。
こんな日が。
こんな日が。
私は目を瞑った。
眩しかった。
自然に涙が溢れ出た。
目を開ければ隊長がそこにいた。
【END】
28082HITを踏んでくださいました
鈴原古都様に捧げさせてもらいます!!
『 ギンと一緒にお花見 』
なんですが、ギン以外にも付けちゃいました(苦笑)
何はともあれ、遅くなってスミマセン;;
本当にありがとうございました!!!
++お礼++
ありがとうございます!
やっぱり涼の書くギンはイイ!コレしか言えないよ!
お花見…したかったなぁ…。
ホントにありがとうございました!
|